小さい子は「いま」をポンと置く。
設定 自由回転 → できごとメニュー → 「いま」に置く
朝ごはんを食べたら、自由回転モードに入って、回さずに、今の時刻にスタンプ。お風呂から出たら、今の時刻にスタンプ。やったあとに押すだけ。子どもが時計の針を読めなくても、「もう済ませた」を文字盤の上に積んでいけます。一日の終わりには、今日の足あとが時計の上に並びます。
正直に書くと、知育時計ふたときアプリはまだ作者の子(N=1)でしか試していません。なので「何歳から」を一般化して断定することはできません。
参考までに、作者の子の事例だけお伝えします。5歳のときに使い始めました。デジタル時計は読めていたのですが、保育園で周りの子がアナログ時計を読めて書けるのに自分だけ読めないと、ずいぶん落ち込んでいた時期です。知育時計ふたときアプリを使い始めて4日ほどで、このアプリを使ってなら読めるようになり、もう落ち込んでいたことも忘れてしまったようです。
ただし、もっと早い時期から「まる × すっきり」のような最小構成で時計に親しむことはできると思います。下のガイドでは、各ステップに「これくらいの時期かもしれません」というふわっとした目安を添えています。お子さんの「いま」を見ながら、自由にお試しください。
3歳ごろからこのへんを試すご家庭が多いように思います。
設定 まる × すっきり × くっきりいろ
外周の分数字を消して、文字盤の中の数字だけが残る、情報量いちばんミニマムの姿で見せます。最初にたくさんの情報を詰め込まないこと — それが、このアプリの一番大切な使い方です。
この段階で「いま何時?」を教える必要はまったくありません。丸くて、色があって、ゆっくり動く何かが、生活のなかに居る。その手触りだけで十分。壁の時計を子どもが指差すまでに1年かかるのと同じで、「存在になれる」時間は、ちゃんと取ってあげてください。
親子の会話
「ほら、いま、あおのとこ。」
「あお!」
「そう、あお。」
ひとこと: 親のほうが先に喋る。答えあわせはしない。正解させる必要はまだありません。
3〜4歳ごろが、このあたりの遊びにハマるかもしれません。
設定 まる × すっきり (短針の色に注目)
大人は長針と短針を同時に読んでいる気になっていますが、本当は短針で「だいたい何時台」を掴んで、長針で「何分」をあとから補っています。読む順番は、いつだって短針が先。
子どもにも、その順番で。話題にするのは短針が指している色と、その近くの数字だけ。「ぴったり」は狙いません。狙うのは「だいたい」です。大人になっても、ふだん時計を見て動くときは、ほとんど『だいたい』で足りています。
親子の会話
「みじかいはり、どこのいろ?」
「むらさき!」
「むらさきは… 3のとこ。いま、だいたい3時だね。」
ひとこと: 数字を指で追わせるより、色を言わせる方が早い。色で答えられるようになったら、次の言葉で『何のいろは何時』を足していきます。
4〜5歳くらいで、分の概念に興味を持つ子が多いみたいです。
設定 くぎり × くわしく
「すっきり」で時計の存在と色が馴染んできたら、「くぎり」モードへ。時刻の境目が線として現れ、『1時間』という塊が視覚的に見えるようになります。大人にはほぼ何も変わって見えませんが、子どもにとっては『ひと目盛り』が立ち上がる大きな切替えです。
そこまで来たら、いよいよ「くわしく」。外周に1から60までの分数字が現れて、分計が顔を出します。ここで伝えたい一行があります。
「短い針は、近い数字をさす。長い針は、長いから遠くまで届く。」
長針と短針の、名前通りの役割。この一文が腑に落ちた瞬間、子どもは目を丸くして「あ、そうか」と言います。時計の読み方の学習は、そこからがスタート本番です。
親子の会話
「ながいはりは、どこの数字?」
「…15!」
「そう。みじかいはりは、6をちょっとすぎたとこ。だから、いま6時15分。」
ひとこと: 『分』は最初は5飛びで覚えるのが近道。5, 10, 15… と一緒に指差しで唱えると、10単位までは割とすぐ乗りこなします。
どの年齢でもどうぞ。自動回転は何度見ても面白いはずです。
設定 自動回転 ON (どのモードでも)
普段の時計は、よく見ればギリギリ動いているのですが、子どもの感覚では『止まっている』に限りなく近い。「自動回転」は、1日を約24秒に圧縮して針を回すモードです。朝焼け → 昼 → 夕焼け → 夜空、と背景の色も一緒に流れます。
ここで絶対に見逃したくないのが、この一瞬です。太陽が、時計の縁の左下あたりから、ゆっくり昇ってくる。「ほら、太陽あがってきたよ〜」のその声で、『時間の流れ』という目に見えないものが、ようやく目に見える形に変わります。
やり方は、画面左上のモード切替ボタンから「じどう」を押すだけ。これで自動回転が始まります。回転中に画面をどこかタップすると止まって、自由回転モードに切り替わります。
親子の会話
「太陽、どっちから出てきた?」
「こっち!」
「そう、お空の下から。…で、どっちに動いてる?」
「そっち!」
「それが、時計の向き。みぎまわり、っていうの。」
ちいさな物語
「短い針が6をこえると、お月さまが出てくるよ。」— そんな、ちいさな予告をひとつ覚えておくと、夕方の時計まわりが『物語の続き』になります。
ひとこと: このモードで「時計は絶対に逆回転しない」ことも伝わります。戻そうとしても戻らない — 時間と同じで。
5歳ごろ、生活のなかで「朝の7時」と「夜の7時」を区別できる頃に。
設定 AM / PM 長押し プレビュー
AM と PM のバッジを長押しすると、午前と午後が、くるりと入れ替わります。
朝の7時と、夜の7時。同じ『7時』という数字なのに、外の光も、空の色も、家でしていることも、まるで違う。7時という時刻は、1つではなかった。
この『同じ数字が2回ある』という事実は、大人には当たり前すぎて説明すら思いつきませんが、子どもにとっては発見です。長押しで景色がスイッチする、その体感そのものが、言葉よりうまく伝えてくれます。
親子の会話
「いま、よるの7時。なにしてるころ?」
「ごはん食べたあと!」
「じゃあ、もう片方の7時は?」
「…あさ?」
「そう、あさの7時。はみがきしてるころ。」
ひとこと: 生活のイベントと紐づけるのが一番はやい。『朝の 7 時は歯磨き / 夜の 7 時はごはんのあと』のように、AM と PM で中身がちがうことを、出来事で覚えていきます。
5〜6歳ごろ、町の壁の時計に興味を持ち始めた頃にどうぞ。
設定 自由回転 × かさねる / わける
自由回転モードに入ると、「かさねる / わける」の切り替えボタンが出現します。
「かさねる」を押すと、AM と PM が1枚の文字盤に重なり、町の壁にかかっている、あのふつうのアナログ時計と同じ形になります。
「わける」を押すと、また午前と午後が別々の文字盤として現れます。
このボタンを何度か行き来すれば、ふつうの時計がずっと裏でやっていたことが、ようやく見えます。
「ふつうの時計は、午前と午後を同じ文字盤に重ねている。」
その『重なり』が、子どもにはずっと見えなかっただけ。見えるようになったら、町のアナログ時計も、もう怖くありません。
親子の会話
「かさねる押すと、どうなる?」
「くっついた!」
「そう、これがおうちの時計と同じ形。わけるとね、中身がこう、パカッと開くの。」
ひとこと: 『アナログ時計は24時間時計を省略した姿』という事実を、理屈ではなく操作で見せられる。ここは知育時計ふたときアプリにしかできない説明です。
6〜8歳ごろ、分数字に頼らずに読みたくなってきた頃に。
設定 くぎり × すっきり
「くわしく」で分数字に馴染んだら、今度は「すっきり」へ戻します。外周の分数字は消え、時刻のくぎりだけが残ります。
町の壁にかかっているふつうのアナログ時計には、たいてい 1〜60 の分数字は書かれていません。それでも読めるのは、短針と長針の位置から分を読み取っているから。そこへ辿り着くための最終ステップです。
「分数字がなくても、長針の位置でだいたいの分は読める。」
くぎりの線が 5 分刻みの目印になるので、まずは 15 分・30 分・45 分だけ拾えれば十分。子どもが数字に頼らず、針の位置から時刻を読めるようになれば、もう時計は読める子になっています。
親子の会話
「ながいはり、どのあたり?」
「3と4のあいだ!」
「そう。3は15分、4は20分。そのあいだだから…」
「17分?」
「そのあたり。大人もだいたいで見てる。」
ひとこと: ここまで来たら、町のアナログ時計も同じ形で読めます。家の外でも時計を指さして会話が広がります。
4〜8歳、時計を読めるようになって楽しくなってきた頃に。
設定 自由回転 × らんだむ
「らんだむ」ボタンで、朝6時から夜9時までの『起きてる時間帯』から、15分刻みのランダムな時刻が出題されます。文字盤の針だけが動いて、時刻の数字は見えません。
親が「なんじ?」と聞き、子どもが答える。それだけのシンプルなクイズです。
正解でも、間違えても、どっちでもいい。「色で言えた」「だいたいで言えた」「きっちり言えた」— そのどの段階で答えても、その子の『いま』がちゃんと分かります。
親子の会話
「では、第1問。なんじでしょう?」
「太陽が傾いてて、長い針が6を過ぎたところ… 5時30分!」
「せいかい! …じゃ第2問。こっちは難しいよ?」
役を入れ替えると、もっと楽しい
親が答える側に回るのも、実はとてもおすすめ。わざと間違えて「えーと…6時30分?」と真顔で言えば、「ちがうよ!5時30分!」と得意げに訂正してくれます。これで当分、時計は味方です。
ひとこと: 間違えても「おしい!」と必ず声に出す。答えは次の出題までに、そっと色で思い出させてあげます。
【もうひとつの遊び方】
8ステップは時計を読めるようになるまでの道ですが、知育時計ふたときアプリにはもうひとつ、生活と時計を結ぶ遊びがあります。学習段階で2段階あります。
設定 自由回転 → できごとメニュー → 「いま」に置く
朝ごはんを食べたら、自由回転モードに入って、回さずに、今の時刻にスタンプ。お風呂から出たら、今の時刻にスタンプ。やったあとに押すだけ。子どもが時計の針を読めなくても、「もう済ませた」を文字盤の上に積んでいけます。一日の終わりには、今日の足あとが時計の上に並びます。
設定 自由回転 → 時計を回す → できごとメニュー → 「ここ」に置く
ねるじかんを先に置いておくと、針がそこに届くあたりで、ぽよんぽよん、と跳ねてくれます。「あと何分?」を、子どもが自分から時計を見にくるきっかけになります。
ここで効いてくるのが、知育時計ふたときアプリの「右回りしか回らない」という設計です。「ねるじかんは今から3時間後に置きたい」と思ったら、子どもは自分で時計を3時間ぶん右に回さなければスタンプを置けません。回しているうちに、針の動き方と時刻の進み方が、体に染み込みます。操作のために時計を回す経験そのものが、時計の読み方の練習になる、そういう設計にしています。
ひとこと: 「足あとスタンプ」と「予定スタンプ」は、どちらも8ステップと並行して使えます。STEP 01 の段階から「足あとスタンプ」だけは始められます。
時計は1日や2日で読めるようにはならないはずです。でも、5年のなかのどこかで、知育時計ふたときアプリで必ず読めるようになれるようにと作りました。大人が焦ってしまうほうが、むしろ遠回りだと思います。「今日はちがう日なんだ」と、さっと切り上げて大丈夫。
「朝 7 時に出発」「夜 8 時半に歯みがき」— 生活の区切りと時計を結びつけるうちに、時間の感覚が子どものなかで少しずつ育っていきます。